この絵本の、この言葉がずっと心に残っています。
木を扱うことを生業にしているわたしたちは、動物を「木」におきかえて読んでいました。
「ずっと、ずっと大昔
人が動物とともに この世にすんでいたとき
(中略)そして みんなが おなじことばを しゃべっていた。」
『魔法のことば』絵:柚木沙弥郎 訳:金関寿夫(福音館書店)
この絵本の、この言葉がずっと心に残っています。
木を扱うことを生業にしているわたしたちは、動物を「木」におきかえて読んでいました。
わたしたち人間は自然の一部としてつながっている。
大きな循環の中に世界がある。
その一部であるということ。
その中で人間は生きているということ。
わたしたちが林業の世界に足を踏み入れたとき、日本には「山村文化」があることを知りました。
山村文化で育ったおばあちゃんは、都会で生活すると「ここには何もない」と言うのだそうです。
おばあちゃんにとっては、必要なものは何でも山にあって、それらを採ってきて使うことこそが“ふつうの暮らし”なのでしょう。
お金が仲立ちしなくても、自分の手で自分の暮らしをつくることができる。
その手ざわりの確かさこそに、価値があるのではないかと感じました。
しかしこの100年で、日本人のライフスタイルは大きく変わり、山は使われなくなってしまいました。
それでも、木は生きていてくれている。
それは山が持つ生命力であり、奇跡的な力だとわたしたちは感じています。
わたしたちにできることは、その力を保護すること。
そして、この地の山村文化をわたしたち自身がもっと知って、多くの人と共有して、次の世代に伝えていきたいと願っています。
林業の仕事を通して、そういったことをここ上田の地で実現していきたいと思っています。